坂網猟について

坂網鴨猟は、石川県加賀市の片野鴨池周辺でのみ行われる伝統的な鴨猟のことです。その始まりは江戸時代の元禄年間。大聖寺藩の武士の冬の鍛錬として主に行われました。

夕暮れ時、鴨が池から一斉に飛び立つ30分ほどだけが猟の時間。猟師は坂網と呼ばれるY字の網を持ち、鴨が飛んできたほんの一瞬を狙い、網を真上に投げて鴨を捕えます。

あえて鉄砲を使わず行われるこの猟は、県の有形文化財にも指定され、昔ながらの猟具・猟法で今も行われる全国でも貴重な猟法です。

本メディアのライター

安藤 竜(アンドウ リョウ)歴史家。コピーライター。1974年、兵庫県神戸市に生まれる。愛称はアンドリュー。関西学院大学大学院文学研究科日本史学専修修了。専門は日本近世史。

大学院修了後、㈱セブン−イレブン・ジャパンOFCなどを経て、現在は歴史・文化コミュニティ「金沢歴活」を主宰。

古地図アプリ「古今金澤」、小松城浮城マップ、金沢妖怪ツアーなど、歴史資源を活用した観光コンテンツの作成に取り組む。ほか、地域の歴史資源に関する調査・ライティング、観光職業訓練校での講師も務める。